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イラン:不払い賃金、飢えた労働者、実弾

24.12.19 Editorial
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燃料価格の高騰に呼応して、11月15日にイラン全域の各都市で大規模な抗議行動が発生した。政府は凶暴な力で対応し、インターネットを停止した。携帯電話サービスも停止しお互いに連絡を取れないようにして、外部との接触を断った地域もあった。それ以来、ある特定の情報が流出し始めた。

 

アムネスティ・インターナショナルが分析した映像証拠によって、屋上狙撃兵を含む治安部隊が非武装のデモ参加者に発砲したことが確認されている。これまでのところ、多くは労働者や都市部の貧困層から成る何百人もの抗議者が殺されたことが分かっており、数千人が逮捕された。家族は犠牲者を殺した弾丸の対価を請求されている。

 

巨大なハフト・タペの砂糖農園と精製施設のあるシュシュ市では、労働者は暴動が勃発する前の10月初旬から、9月を最後に支払われていない賃金を要求して定期的な抗議を行っていた。11月15日の抗議行動が始まって間もなく、ハフト・タペは門を閉め、まだ開けていない。過去に何度もそうであったように、ハフト・タペの労働者は空腹だ。今やパン屋でさえ後払いを拒否している。


シュシュにある政府のオフィスの前で、未払い賃金の支払いを要求するハフト・タペの労働者たち

 

ハフト・タペの労働者は何年もの間、大規模な賃金の滞納と、会社が社会保障の支払い義務を果たさなかったことに反応して、ストライキとデモを行わざるを得なかった。数ヶ月に渡るストライキと抗議の後、2018年2月、ハフト・タペの労働者は2017年7月から未払いとなっていた賃金を受け取った。しかし、またもや飢えと腐敗のサイクルが始まったのだ。

 

2008年、ハフト・タペの労働者は、42日間の未払い賃金に対するストライキの過程で独立した組合を設立した。会社(現在は民営)と政権は組合の承認を拒否しており、組合員や幹部は組合活動に関与したことで解雇され、懲役刑となりブラックリストに載っている。

 

政府は、抗議は海外の首謀者の仕業であると主張しているが、ハフト・タペの労働者の長年に渡るパンと尊厳と彼らの権利のための闘争は、人々を全国の路上に連れ出した残酷な状況を明らかにしている。政府は犯罪を説明するために保持されなければならず、今やかつてないほど、イランの労働者と労働権擁護者を支援するために国際連帯が必要とされている。

 

最新情報:この記事が公開された直後に、ハフト・タペは再開し、労働者は仕事に復帰し始めた。だが彼らはまだ賃金を受け取っておらず、イランの人々は未だに死者の数を数え、嘆いている。