チュニジア労組、解雇されたモンデリーズ組合幹部の復職を要求
モンデリーズが49%所有するチュニジア最大のビスケット製造会社SOTUBIのチュニス工場で、不思議なことが起こった。2011年1月、暴動の起こっているこの国で、労働者は彼らの生活の糧の源である工場を守る責任を担ったのだ。10日間、FGAT-UGTT支部労組の書記長、ザィード・ナロウフィは、他の組合代表と共に略奪者に備えて工場を警備し、工場で寝泊りさえした。同じ時、多くの使用者は自分たちの荷物の荷造りをしていた。
大統領職から退陣させられた独裁者、ベン・アリ(SOTUBIのオーナーの義父)が国外に脱出した後、労働者は、直接雇用される社員の賃金に比べ相当低い賃金で働く何百名もの生産ラインの派遣労働者の正規化を含め、長期にわたる多くの問題を交渉で解決することに成功した。
しかし、使用者が民主主義の流れが衰退したと感知すると、しっぺ返しが来た。
ザィード・ナロウフィ書記長が生産停止期間中に組合員の会合を開いた後、昨年7月10日、解雇された。書記長が生産停止を招いたと偽りの告発がされたのである。多くの労働者が、生産停止は停電によるものだったと証言したが、この証言は無視された。
1ヵ月後、副書記長のカリム・アムドウニは、同僚に暴行したと虚偽の告発を受け停職処分となった。2週間後、この暴行を受けたとされる犠牲者は、社内申し立てを撤回した。するとその翌日、今度は彼がアムドウニに暴行したと、会社に告発された。その後カリム・アムドウニの復職に至るまで、彼の1ヶ月の停職処分の期間が終了してから6ヶ月以上かかった。しかも同じ仕事に戻ったのではない。
残りの組合幹部が辞職し、新しい幹部が選出されれば、解雇されたり停職処分になった同僚を復職させるための交渉が、より容易になると組合は説得させられた。組合はしぶしぶこれを承知し、新しい幹部が選出され、復職の要求が続けられた。
カリム・アムドウニは、2013年4月1日にようやく復職した。ザイード・ナロウフィは、不当解雇後から1年以上たった今も、まだ復職を待ち続けている。組合はザイードの復職を要求し続けている。
SOTUBIの労働者と彼らの組合FGAT-UGTTは7月20日、ザィード・ナロウフィを支援するため集会を開いた。バナーには、「組合と労働者は共に立ち上がり、前書記長の復職を要求する」と書かれている。