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これは我々の勝利:ILOが労働現場の暴力とハラスメントと闘うための新たなグローバル基準を採択

24.09.19 Editorial
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IUFは、6月21日に採択された労働現場の暴力とハラスメントと闘うための新たなグローバル基準を心から歓迎する。この条約及び勧告は2019年度のILO総会で採択され、労働組合による継続的な動員並びにロビー活動の賜物である。

「IUFのスタッフと加盟組織はこの結果に至るまでずっと、各国政府に支持するよう圧力を加え,企業に対しても支援を公表するよう要請してきた。この成功は彼らのおかげだ」とIUFのスー・ロングリー書記長は述べた。
使用者側代表はこの条約の内容と適用を制限しようと試みたが、最終投票でロシアが棄権したものの、多くの政府は支持を表明した。
この条約勧告は、すべての人が暴力並びにハラスメントのない環境で働く権利を有することを確約し、またそれが平等と無差別の権利に繋がるもので、性別に基づく暴力とハラスメントの根拠を明確に示している。またその範囲は、求職者、住み込み労働者、通勤者など、正規、非正規に関係なくすべての雇用形態の労働者を対象に保護することを保証する。暴力とハラスメントを阻止・撲滅するためにそのような包含的、総合的かつ性別に対応した採択及び実施において、労働界で団体交渉が主要な役割を果たすことも確認された。

接客業にかかわるIUFの加盟組織にとって特に重要なことは、この条約が顧客や取引先を含む「第三者」による暴力とハラスメントからも労働者が保護されなければならないことを認識したことだ。そして各国政府に労使と協議して、「労働者やその他の人々が暴力及びハラスメントにより影響を受けるセクター、職業、労働環境」を特定するよう要請している。また勧告では、農園や接客業など離れた環境で働く労働者も対象にすることを明確にしている。 
特に困難な闘いだったのは、労働界における家庭内暴力の影響を認識することをこの条約で確約させたことであるが、圧力をかけて成功させた。またこの条約は団体交渉を含む具体的な対応策も要求している。
 

Photo © Crozet / Pouteau