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天安門を忘れない

13.06.19 Editorial
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香港の労働者たちは、6月4日、1989年の中国の民主主義運動と、労働者たちが自ら立ち上げた、国家政党の正式な労働組合構造に挑む自主的な労働組合の約束と記憶を維持するために集まった。30年前に戦車が天安門広場に入り、中国全土で数千人が逮捕および投獄されて以来、中国で唯一の独立系労働組合である香港労働組合連盟は毎年デモや公のイベントを通じてその記憶を維持してきた。世界中の労働組合は同様に、彼らの支援に声を上げ、目に見えるべきである。

中国では、労働者による大規模な団体行動の出現を含め多くの変化があったが、抑圧的な組織は1989年にオーバーホールされ、中央集権化され、改良されてそのまま残っている。この組織には、独立して組織化しようとする労働者の努力を、犯罪として留めておくために政府やその治安部隊と一貫して結託している、中華全国総工会(ACFTU)も含まれる。

 

ジェイシック・テクノロジーの労働者が2018年に労働組合を結成しようとした後、今年のこの記事が出る前に、中国全土の組合活動家と労働権支持者が「消えた」かまたは刑事拘留された。ACFTUは単に消極的に受け入れたのでは無く、ジェイシックの取り締まりに積極的に関わった。しかし、労働組合運動の大部分にとって、たとえ完全にそれを把握していても、中国での弾圧が議題に上ることは少なく、あるいはACFTUの代表者との対面に際しては忖度され、矮小化されてきた。

 

中国の圧倒的な規模の弾圧は、知覚や原則、連帯を麻痺させるのだろうか?中国西部の百万人以上のウイグル人や他の多数のイスラム教徒、チュルク語圏の人々が「労働キャンプを通じた再教育」を施されてきた。米国の技術を利用して、政府は大量監視を容易にするために強制的にウイグル人のDNAデータベースを構築した。少数派を対象とした人工知能ベースの顔認証技術が中国全土に展開されている。労働運動は伝統的に大量収監、大量監視、強制労働に反対してきた。しかし今日では、そのような体系的権利侵害は沈黙のうちに行われている。この巨大な弾圧と監視の仕組みは、労働者の権利と市民の自由に奮闘している人々に向けられたものではないと誰が信じることができるだろうか?私たちは、Amazonによる自社の従業員の卑劣な監視を非難している。ならば、比較にならないくらい大規模な監視に直面して沈黙を守るなど、できるはずもないだろう。

 

中国における検閲は常にターゲットが変化し、潮の干満のように激化したり弱まったりする。例えば大躍進政策や文化大革命等の歴史上の記録は、政治や権力がそれらを再び歴史から消し去らんとする前に、限定的な議論に時々出現する。民主主義運動とその残忍な弾圧はタブーのままだ。6月4日が近づくにつれて、インターネットやプライベートな会話、記録から、1989年6月4日の出来事とその意味に言及するもの全てを消し去ろうとする努力がなされ、新たな逮捕者や拘留者が出るであろう。

 

HKCTUは香港における民主化の余地を奪う動きと闘っている。最近、占拠運動のリーダー達が有罪判決を言い渡され、HKCTUのリーダー達自身も起訴されている。それにもかかわらず、彼らは本土における労働者の権利を求める闘争への一貫した支援を維持し、6月4日に路上に繰り出すことを計画している。IUFは誇りをもって彼らを支持する。