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ジャナオゼン事件から2年、カザフスタン政府が組合を全面的な国家管理下におく法律を計画

19.12.13 News
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2年前にカザフスタン西部の町ジャナオゼンで警官が石油労働者らを射殺したのを受け、民主的な労働組合は即座に、民主的な代表性と真の団体交渉に基づいた労働争議の表現及び解決を保護し奨励する法制度の確立を求めた。ヌルスルタン・ナザルバエフ独裁政権は、同国の労働組合を全面的に国家の管理下に置こうと動いている。
最近マジリス(国会)に提出された労働組合法案は、今年初めにILOに『専門的意見』として送られた草稿の使いまわしである。この法案は、ILO専門家委員会が2013年6月の覚書で、結社の自由に矛盾すると、強く批判したものだ。ILOがこの法案の中で特に批判しているのは、地方、地域、職場レベルの労働組合に全国レベルの産別組合への加盟および縦の直属を義務付ける条項である。さらに「この既定の構造外では、職場レベルの自治的な労働組合組織を設立することは不可能なように思われる」と覚書で述べている。ILOは、本法案が「セクターレベルにおける労働組合の独占化を導入するもので、すなわちセクター別労組は、そのセクターの全労働者もしくは組織の最低半数以上によって結成されるか、或いはそのような組合は、同国の地域、主要都市および首都の半数以上に構成単位を持つことを義務付けるものである」と強調した。
またILO専門家委員会は、公共部門労働者に組合を禁止し、交渉やストライキのための労働組合権に厳しい制限をかけるこの提案の広範な権限を浮き彫りにした。
独立した労働者組織を消滅させる試みをILOに承認させることに失敗した後、政府は、体裁を取り繕う微調整をしてILOの非難の的となった箇所を保全する法案を再提出した。
IUF加盟のAlmaty農工業労働組合、カザフスタン自由労働組合連合会、カザフスタン総同盟を始めとするカザフスタン労働者の民主的組織は、まさしくこの独占的構造案により、結社の自由に直接脅威が加わり、国際労働基準が侵害され、そして彼らの組合員の権利と利益を求める持続的闘争能力が損なわれると認識している。これらの組織は、政府に対し草案の修正を要請し、ILOの抜本的な批判を組み入れた修正案を提出した。また、労働者の民主権と市民権の保護を可能にし、同国の労働者の民主主義への強い願望に応えられる組合の発展を奨励する労働法改正を要請している。
ジャナオゼンの収監された人々の悲運は、同国の労働者の権利の闘争に対する固い決意と、彼らが直面する力の強大さ、そして国際支援の継続の必要性を改めて、浮き彫りにするものだ。